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突然病状が悪化する一つの原因として、SARS-CoV-2がヒトに感染する際にSARSウイルスと同じACE2を受容体にしている点が重要になってきている印象です。
ACE2はまだその生理作用が十分解明されておらず、今回のSARS-CoV-2がSARSウイルスに比べて10倍から20倍もACE2に対して親和性が高いため、感染する広がり方も強く、ヒトの臓器に広く分布しているACE2をターゲットに多彩な症状を呈するものと考えられています。
以下の論文にそのヒントになる話が載っていました。
タイトルは「SARS-CoV-2 Infectivity and Neurological Targets in the Brain」です。Cellular and molecular neurobiology
2020年の8月に公開されています。
これによるとACE2は広く脳に分布しており、延髄等の呼吸中枢にも存在するため、ウイルスが直接呼吸中枢に作用して、呼吸状態が突然悪くなり、最悪の場合呼吸が停止してしまう可能性があるようです。
ただし呼吸抑制に関しては、まだ確定した話ではありませんが、SARS-CoV-2の感染には予想以上に注意を払って、感染しないように努力するのがbetterだと思われます。
下の図は論文からのものですが、赤丸のmedulla oblongataというのが延髄のことです。脳の中でも延髄はACE2の発現が豊富なのが分かります。
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